2021年8月30日月曜日

PaperCutアプリケーション・サーバの移行計画

この記事では、PaperCutサーバを新しいもしくは異なるオペレーティング・システム上へ移行する場合の検討事項
および移行方法について説明します。


サーバ移行のためのアドバイス

・ 最初に「移行準備のチェックリスト」のタスクを実行してください。

・ 新しいサーバへ移行する準備ができたら、システム停止期間を計画し、「移行期間のチェックリスト」のタスクを実行してください。

・ バックアップ・プランを準備し、緊急時には旧サーバに戻せるようにしておきましょう。

・ 簡単にするために、新しいPaperCutサーバには旧サーバと同じIPアドレスとホスト名を設定します
  (ただしIPアドレスの競合を避けるため、新旧のサーバは同時にオンラインにしないでください)。
  ネットワーク上の他のPaperCutコンポーネント
  (クライアント・ソフトウェア,エンベデッド・アプリケーションがインストールされている複合機,
   セカンダリ・サーバ,サイト・サーバ,Webプリント・サンドボックスなど)を再設定する必要がないようにするためです。
  PaperCutサーバのIPアドレスの変更は、全く別の作業になります。
  「PaperCutサーバ名とIPアドレスの変更」と「サーバ移行やIP/ホスト名変更後のエンベデッド・ソフトウェアの設定変更について」を参照してください。

・ PaperCutを使用中のお客様は、PaperCut販売店に相談することを推奨します。

・ PaperCutサーバが内部データベースを使用するか、外部データベース(SQLサーバなど)使用するかにより手順が異なります。
  外部データベースを使用している場合、
  「移行準備のチェックリスト」の「4. server.properties ファイルをチェックし新サーバにコピーする」に記載している
  データベース接続情報をコメントアウトしてください。これにより、2つのサーバが同じデータベースに接続することを防ぎます。

・ 移行先はクラウド・ホスティングのサーバの場合、「プライベートクラウドホスティングのベストプラクティス」を参照してください。


移行準備のチェックリスト

1. 新サーバにテスト用プリント・キューを作成する

2. 新旧両サーバに同じバージョンのPaperCutをインストールする

3. 新サーバにライセンス・ファイルを適用する

4. server.properties ファイルをチェックし新サーバにコピーする

5. 必要なPaperCutコンポーネントを移行する
 5a. 証明書とキーストア
 5b. モビリティ・プリント
 5c. プリント・アーカイブ
 5d. Webプリント
 5d. プリンタ展開


移行期間のチェックリスト

6. 移行に伴う停止期間をユーザに告知する

7. 新PaperCutサーバにデータベースを移行する

8. 旧サーバを停止する、もしくはネットワーク・インタフェースを無効化する

9. 移行後の注意事項


1.新サーバにテスト用プリント・キューを作成する

PaperCutとプリント・サーバが同居している場合、PaperCutをインストールする前に新サーバですべてのプリント・キューを作成し、
印刷テストを行ってください。
この手順は、Windows, macOS, Linuxのいずれのプリント・サーバを使用しているかにより異なります。

Windowsの場合、新サーバ上で「印刷の管理」を開き1つずつプリンタを新規作成します。
もしくはWindowsに搭載されている「プリント情報のインポート/エクスポート機能」を使用して
すべてのキュー,ドライバ,ポート,および設定を迅速にいこうすることができます。

新しいサーバのプリント・キューは旧サーバと同じ名前を付けることをお勧めします。
新サーバ経由で印刷するとネットワーク上のクライアントがサーバ上の共有プリント・キューに接続できなくなる可能性があります。
移行の際にプリンタ名やサーバのホスト名を変更する場合、
PaperCut管理画面の「プリンタ・リスト」に表示されるプリンタ名を新規プリンタ名に変更することにより、
印刷履歴や設定を保持することができます。詳細は「プリンタ名の変更方法」を参照してください。

LPRプロトコルもしくはPaperCut LPDサービスを使用するプリント・キューがある場合、
移行先の新サーバにPaperCut LPDサービスをインストールする必要があります。
macOSやLinuxクライアントから送信されたLPRジョブがWindowsプリント・サーバ上のキューに着信し、
キューから物理プリンタへ送信できるようになります。
PaperCutアプリケーション・サーバにプリント・キューを作成しない場合はこの手順を省略することができます。


2. 新旧両サーバに同じバージョンのPaperCutをインストールする

PaperCutを移行する際、新旧のサーバで同じバージョンのPaperCutを実行することを推奨します。
最も簡単な方法は、PaperCut最新版にアップグレードすることです。PaperCutの最新バージョンについては弊社までお問合せください。
PaperCut最新版のインストーラが入手できたら、新旧両方のサーバにインストール/アップグレードしてください。

移行前にアップグレードすることができない場合、旧バージョンのPaperCutをインストールしてください。
旧バージョンのインストーラがない場合、弊社までご連絡ください。

新サーバのPaperCut管理画面へログインし、
<オプション> - <ユーザ/グループの同期> の[テスト設定]ボタンをクリックしてユーザ・ディレクトリと問題なく通信できるかを確認してください。


3. 新サーバにライセンス・ファイルを適用する

旧サーバで使用していたライセンス・ファイルをコピーして新サーバにインストールする必要があります。

手順
① 旧PaperCutサーバにサインインしてください。

② 次のフォルダを開いてください: <app-path>\PaperCut MF\server

③ フォルダ内にある「application.license」をコピーし、新サーバの任意のフォルダに貼り付けてください。

④ 新サーバの管理者用Web画面へログインしてください。

⑤ <PaperCutについて>セクションをクリックし、「登録」セクションを表示してください。
  ③でコピーしたライセンス・ファイルを選択しインストールしてください。


テストと確認
<PaperCutについて>ページの「ライセンス情報」に正しいライセンス情報が表示されるかを確認



4. server.properties ファイルをチェックし新サーバにコピーする

このファイルには、旧PaperCutサーバで設定した重要な設定やカスタマイズが含まれます。

・ ハッシュ化された管理者パスワード
・ カスタムSSL/TLS証明書の詳細
・ リスニング・ポート(80, 443)
・ 許可する暗号やプロトコルのリストなどのセキュリティ設定
・ データベース接続の情報

この手順は、PaperCutがデフォルトの内部データベース(Apache Derby)を使用するか、
外部データベース(SQL ServerやPostgreSQL など)を使用するかにより異なります。

手順
① 旧PaperCutサーバにサインインしてください。

② 次のフォルダを開いてください: <app-path>\PaperCut MF\server

③ フォルダ内にある「server.properties」をコピーし新サーバの任意のフォルダに貼り付けてください。

④ PaperCutが外部データベースに接続するように設定している場合、
  新サーバにコピーした「server.properties」のデータベース接続情報をコメントアウトしてください。
 コメントアウトは下記の例のように行の先頭に「#」と追加します。
 データベース接続情報をコメントアウトすることにより、新PaperCutサーバが誤ってデータベースに接続することを防ぎます。
 本番稼働前、新サーバに切り替える時にこのコメント(#) を削除します。
   #database.type=SQLServer
   #database.driver=com.microsoft.sqlserver.jdbc.SQLServerDriver
   #database.url=jdbc:sqlserver://dbsrv01:1433;databaseName=Papercut
   #database.username=PaperCut_DB
   #database.password=1234

⑤ 新サーバ上でサービス「PaperCut Application Server」を再起動してください。


テストと確認
設定手順の確認の最も簡単な方法は、
新PaperCutサーバが旧PaperCutサーバと同じ管理者パスワードが利用できるかどうかを確認することです。

server.propertiesファイルで設定したカスタムSSL証明書をインストールしている場合、
新サーバが正常に起動する前に、「5a. 証明書とキーストア」を参考にキーストア・ファイルを移行する必要があります。


5. 必要なPaperCutコンポーネントを移行する

組織が使用しているPaperCutの機能によっては、下記に説明する設定手順が必要となります。


5a. 証明書とキーストア

組織がPaperCutサーバにカスタムSSL証明書をインストールしている場合、
旧PaperCutサーバから新PaperCutサーバへキーストア・ファイルをコピーする必要があります。
デフォルトの自己署名証明書を使用している場合はこのセクションをスキップしてください。

手順
① 旧PaperCutサーバからPaperCutアプリケーション・ディレクトリ内のキーストアが保存されている場所にコピーします。
  キーストアの保存先: <app-path>\server\custom
 正確なキーストアのパスとファイル名はserver.propertiesの次のオプションに記載されています。

   #server.ssl.keystore=custom/my-ssl-keystore

② 新サーバにサインインし、①と同じフォルダ上にコピーしたキーストア・ファイルをコピーしてください。

③ 新サーバ上のサービス「PaperCut Application Server」を再起動してください。


テストと確認
新サーバ上で証明書が正しく動作するかを検証します。
新サーバ上でブラウザを開き「https://localhost:9192」にアクセスしてください。そして証明書の詳細情報を確認してください。


5b. モビリティ・プリント

PaperCutモビリティ・プリントがPaperCutサーバにインストールされている場合、
新サーバにモビリティ・プリントの設定と移行するために手順があります。
モビリティ・プリントがセカンダリ・サーバなどアプリケーション・サーバ以外にインストールされている場合、
このセクションはスキップしてください。

手順
① PaperCut モビリティ・プリント・サーバを新サーバ上にインストールしてください。

② 旧サーバ上のモビリティ・プリントのインストール・フォルダ「<app-path>\data」内にあるすべてのファイルとフォルダをコピーし、
 新サーバのモビリティ・プリントのインストール・フォルダ「<app-path>\data」内に貼り付けてください。
 このフォルダには、特定のプリンタを有効/無効にするかどうか、ジョブ毎の認証のオン/オフの設定、
 サブネット毎にプリンタへのアクセスを制限するルール、認証トークンなどの重要な詳細を定義する設定ファイルが含まれます。

③ 新サーバ上のサービス「PaperCut Mobility Print Service」を再起動してください。


テストと確認
新サーバ上のモビリティ・プリント管理画面へログインし、プリンタが公開されているか、正しいプリンタ検出方法が選択されているかを確認してください。


5c. プリント・アーカイブ

プリント・アーカイブを使用してプリント・ジョブの履歴を保持している場合、プリント・アーカイブを移行する必要があります。
プリント・アーカイブを使用していない場合、このセクションはスキップしてください。

手順
① 新サーバにGhostTrapをインストールしプリント・アーカイブを有効化してください。詳細は別紙「プリント・アーカイブ設定ガイド」を参照してください。

② 次の手順はプリント・アーカイブの保存先がデフォルトのロケーションか他のロケーションかにより異なります。
 ・ デフォルトのロケーション: 旧サーバのアーカイブのディレクトリ(<app-path>/server/data/archive)をコピーし、
   新サーバの同じディレクトリに貼り付けてください。

 ・  他のロケーション: 別紙「プリント・アーカイブ設定ガイド」の「5-1 アーカイブの保存ディレクトリの変更方法」を参考に
    新サーバのアーカイブの保存先を変更してください。


テストと確認
新サーバから印刷を実行し、PaperCut管理画面のジョブ・ログにジョブの画像が表示されるかを確認してください。


5d. Webプリント

Webプリントのデフォルト・モードの場合、移行の際に追加の設定を行う必要はありません。
サンドボックス・モードを使用している場合、新PaperCutサーバのWebプリント・サービスを無効化する必要があります。

また、Webプリント・サンドボックスはPaperCutサーバ上の「Hot Folder」をネットワーク・ドライブとして設定し通信できるようにする必要があります。
組織が「Hot Folder」をデフォルト以外の場所へ移している場合、別紙「Webプリント設定ガイド」の「6-3 詳細なWebプリントの設定」を参照してください。
フォルダ共有が適切な権限で設定されていて、Webプリント・サンドボックスのユーザがこのファイル共有にマッピングされていることを確認します。


手順
① 新サーバにサインインし、サービスを起動してください。

② サービス「PaperCut Web Print Server」を右クリックし、ショートカット・メニューから「プロパティ」を選択してください。

③ 「スタートアップの種類」を「無効」に設定し、サービスを停止してください。

④ 新サーバ上の「Hot Folder」(<app-paht>\server\data\web-print-hot-folder)が
 正しくサンドボックス・サーバ上のネットワーク・ドライブとして設定されていて、
 正しいアクセス権限が付与されているかを確認してください。

⑤ サンドボックス・サーバ上のサンドボックス・アプリケーションを再起動してください。


テストと確認
Webプリント経由で印刷を実行し正常に印刷できるかを確認してください。


5d. プリンタ展開

プリンタ展開機能を使用している場合、次の手順に従って設定を行ってください。

手順
① 旧サーバ上の次のディレクトリを開いてください。
  ・ Windows: <app-path>/providers/print-deploy/win
  ・ macOS: <app-path>/providers/print-deploy/mac
  ・ Linux: <app-path>/providers/print-deploy/linux

② [data]フォルダの中身をすべてコピーしてください。

③ 新サーバにサインインし、サービス「PaperCut Print Deploy Server」を停止してください。

④ 新サーバ上から①の旧サーバと同じディレクトリを開き、②でコピーしたデータを貼り付けてください。

⑤ サービス「PaperCut Print Deploy Server」を再起動してください。


重要: 移行先のサーバのIPアドレスやホスト名が元のサーバと異なる場合、新サーバのホスト名でクライアントを再配置する必要があります。
新サーバからクライアントを再ダウンロードし、クライアントも最新の状態にしておくことを推奨します。
なお、クライアントを再インストールまたはアンインストールしても、
ユーザのコンピュータにすでにインストールされているプリント・キューは削除されません。
ユーザはプリンタ展開によって展開されたすべてのプリント・キューを使用して印刷することができます。


テストと確認
新サーバのPaperCut管理者画面へログインし、<印刷の有効化> - <プリンタ展開> へ移動してください。
旧サーバで設定したゾーンやプリント・キューが画面上に表示されるかを確認してください。

次にクライアントPC上から <app-path>/data/config/client.conf.toml を開き、
プリンタ展開クライアントが新サーバのアドレスをポイントしているかを確認してください。
「ServerBaseURL」キーには新サーバのホスト名が設定されているはずです。
設定されていない場合、すべてのクライアントをアンインストールしてから再展開してください。


6. 移行に伴う停止期間をユーザに告知する

サーバ移行前に、エンドユーザに印刷の停止期間を告知してください。

また、移行前の「ホールド/リリース」の保留中のプリント・ジョブおよびFind Meプリントのジョブは新サーバに移行されません。
移行作業前に保留中のジョブをリリースする必要があります。


7. 新PaperCutサーバにデータベースを移行する

ここで説明する手順は、PaperCutがデフォルトの内部データベース(Apache Derby)を使用するように設定しているか、
外部データベース(SQL Server, PostgreSQL, MySQL,Oracleなど) を使用するように設定しているかにより異なります。

PaperCutサーバが内部データベースを使用するように設定している場合、
下記のリンクのページに従って旧サーバからデータベースのバックアップを取得し新サーバへバックアップをリストアしてください。

【バックアップ・データのリストア方法】
http://cosy500-papercut-2.blogspot.com/2013/04/blog-post_3636.html

PaperCutサーバが既存の外部データベースに接続している場合、下記に説明する手順に従ってください。


① 旧サーバにサインインし、サービス「PaperCut Application Server」を停止してください。

② 新サーバにサインインし、メモ帳などのテキスト・エディタから「server.properties」を開いてください。

③ 「Database Settings」から使用するデータベースの接続情報の先頭のコメント(#)を削除してください。

④ 「server.properties」を保存して終了してください。

⑤ サービス「PaperCut Application Server」を再起動してください。


テストと確認
PaperCut管理者画面へログインし、<ログ>セクションの<ジョブ・ログ>を表示して
印刷履歴が正常に引き継がれているかを確認してください。


8. 旧サーバを停止する、もしくはネットワーク・インタフェースを無効化する

データが正常に移行されたら、ユーザが旧サーバ経由で印刷し続けないようにする必要があります。
旧サーバの電源を切るか、ネットワークから遮断してください。

旧サーバの電源を切る準備ができていない場合どうするか? 
PaperCutをアンインストールしてPaperCutセカンダリ・サーバに変更することを検討してください。
そうすることにより、ユーザは引き続き旧サーバ経由で印刷しても、
印刷情報は新サーバのプライマリ・サーバへ送信されPaperCutがトラッキングすることができます。


テストと確認
旧PaperCutサーバのネットワーク・インタフェースを無効化した後、
別のワークステーションからこのサーバにpingを打ってオフラインであるかを確認してください。


9. 移行後の注意事項

移行が成功した後も数週間は旧PaperCutサーバを残しておくことを推奨します。
後日、何かが正しく移行されなかったことが判明した場合、旧サーバを参照用に残しておくと便利です。

また、古いプリント・サーバを残したまま、このサーバをPaperCutセカンダリ・サーバにして、
旧サーバ経由で印刷しているクライアントの印刷もトラッキングできるようにしている場合もあります。
この方法が有効なのは、旧サーバがそのIPアドレスとホスト名を維持し、新サーバが新しいIPアドレスとホスト名を設定する場合のみです。
この方法が組織の環境に適切であるかどうかはお客様の判断にお任せします。


テストと確認
データがインポートされ、アプリケーション・サーバが再起動された後、
すべてのデータが正常に移行されシステムが期待通りに動作するかを確認してください。



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https://www.papercut.com/kb/Main/ServerMigration



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